2012年4月27日金曜日

「小沢裁判」の敗者は?

今朝の朝日新聞で、山中季広社会部長が、「勝者なき無罪判決」と題して、小沢裁判の判決について述べています。
昨夜のNHK7時のニュースも、あるいは他の大マスコミの論調も、「小沢はグレー」の横並びのようです。

裁判所は、どうやっても有罪にはできないけれど、法曹村「身内」の検察の顔を立てたいのか、そんなら有罪にすりゃあいいのに、と突っ込みたいぐらい小沢氏を非難しています。

それを受けての大マスコミの報道から、やはり「記者クラブ村」の共通の利益を守りたいのか、と私は感じています。

マスコミは「巨悪」という検察リークを垂れ流し続けましたが、結局「悪」といえるような「受託収賄」に類する犯罪は一切立証できず、形式犯に毛が生えたような政治資金規正法違反すら有罪にできなかったのです。

日本の刑事裁判の有罪率は、99.8%。
普通の刑事犯でも、起訴されれば有罪と同じことです。
しかも今回はあの東京地検特捜部、通称「鬼の特捜」が全力をあげても立件できず、検察審議会に虚偽報告してまでも裁判に持ち込んだ、という経緯で、なお無罪となったわけです。

そして、政治資金規正法の罰則は、収支報告書の不記載、虚偽記載に対する罰則は、禁錮5年以下、又は罰金100万円以下という、「微罪」です。

あえて「その程度」といいますが、その間に小沢氏が被った不利益を考えると、実質的な「量刑不当」ではないのか、私は疑問に思っています。

そこで、この裁判に勝者がいないとしても、敗者はいなかったのか。

私は敗者は「民主主義」であると考えています。

あの、前回総選挙前の政権交代熱の高まりの中、「小沢政権」を期待してなされた「投票=民意」が、検察=官僚の「歪んだ正義感」によって否定された、と言っても過言ではないと考えます。

エリートたちの「自分らが日本を正しくリードする」意識が、「民意=愚民の選択」を否定する、という構図だと思います。
大マスコミは、「記者クラブ村」の自分らも、エリート官僚と同類だとでも思っているのか、無批判にリーク情報を垂れ流し、それに沿った論調を繰り返しています。

これでマスコミの「権力に対するチェック機構」としての役割が果たされているといえるのでしょうか。

これは、「小沢氏がこれからの日本の首相にふさわしいか」、「あの時小沢氏が首相だったら、どうなっていたか」とは別の次元で論じられるべきことです。

ついでですが、辛口グルメ評論家の友里征耶氏は本日のブログで、「新聞抱き込んでの小沢ネガティヴ・キャンペーンを続け、無理に強制起訴までして3年以上表だった活動をさせなくした検察、もとい、官僚の実質的な完全勝利」、と評しています。

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