憲法第9条の下で認められる「武力の行使」については
①我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
②これを排除し、我が国の存立を全うし.国民を守るために他に適当な手段がないこと
③必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
という3要件に該当する場合の自衛の措置としての「武力の行使」に限られると解する。
①ですが、「我が国に対する武力攻撃が発生したこと」は、明白に個別自衛権の話なので、集団的自衛権を論じているなら外すべき文言です。
「我が国と密接な関係にある他国」とは普通に考えればまずアメリカ合衆国のことです。
ですから、3要件の①は、
アメリカ合衆国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
と読み替えることができます。
私には、「日本の存立が脅かされるほどに、米国が武力攻撃を受け」、かつ、「個別的自衛権を行使できない」、という事態を具体的に想像することができません。
私の想像力が貧困なのか、 高村副総裁の想像力が過剰なのか。
或いは、私が考えていない「我が国と密接な関係にある他国」が、もっといろいろ存在するのか。
安倍首相は、 特定秘密保護法成立が拙速だとの批判に対し「私自身がもっともっと丁寧に時間をとって説明すべきだったと反省している」とおっしゃっていましたが、集団的自衛権についてその反省は生かされているのでしょうか。
それとも、集団的自衛権については、首相自身がもっともっと丁寧に時間をとって説明すべき」とは考えていないのでしょうか。
または、あの紙芝居が、「丁寧な、時間をとった説明」だったということでしょうか。
サッカー日本代表のW杯グループリーグ敗退程度のことなら、終わるまでは根拠なく祭り上げ、終わってから批判する、でも済むかもしれませんが、集団的自衛権の行使容認は、それではすまないと思います。
ところで、サッカーについても、たぶんセルジオ越後さんが述べるように協会、メディアなどがきちんと変わっていくとは、実は思えないんですが……。
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