例えば、大半の新聞社の編集局は、政治部と経済部、社会部、運動部などというような構成になっています。
それは主に取材対象の違いによるものであろうと思うので、これからのお話に直接関係するわけではないのですが、では、「政治」と「経済」というのは、並立する概念なのでしょうか。
そもそも「政治」とは何をするものなのか、と考えてみましょう。
国家とは、何をするものなのか、何をすることの代償に税金を徴収するのか。
原始的な「ムラ」から、壁を築いた城市へと発展していく段階で、統治者の仕事とは、まず「民」の生命、安全を守るものでした。
そして、安全に暮らせるようになると、さらに豊かな暮らしを与えることが、統治者の仕事に加わってきたのです。
つまり、「政治」の内容とは、「軍事」と「経済」なのです。
「軍事」も「経済」も、過度に自由放任すると、各々の民の生命、財産を危険にさらすことになります。
そこに一定の道筋を与えるのが「政治」の役割であり、つまり、軍事や経済を知らない者は「政治家」とはいえないのではないか、と思います。
先日、テレビを見ていると評論家の一人が、「これからは経済の建て直しのために、政治の力を結集しなければならない」という趣旨のことを話していましたが、そうではなくて、もともとそれが政治家の仕事の一つなのです。
繰り返しますが、政治家の仕事は「政治」ではなく、「軍事」と「経済」なのです。
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