(ロシア大統領選で勝利し、支持者の前で涙を流すプーチン氏。右はメドベージェフ現大統領=AP)
大統領選の3日前、朝日新聞の若宮主筆との会見で、プーチン氏は北方領土返還交渉を再開する姿勢を明確にしました。
一時はメドベージェフ大統領が国後島を訪問し、ロシア領であることを主張するなど、北方領土についてのロシアの姿勢は強硬でしたが、ここへきて方針を変更するようです。
今なぜ、ロシアが日本と協調姿勢をとろうとするのか、ちょっと考えてみました。
元外務省主任分析官の佐藤優氏によれば、「ロシア人は中国人を、草の根の国民レベルで嫌っています(週刊とりあたまニュース・単行本まえがき)」とのことで、プーチン氏は「中国に対抗するために日本が大事だという、乾いた力の外交の考えを持っているということだ(産経ニュース2011.9.25)」とも語っています。
そして、2月19日の朝日新聞デジタルに、気になる記事がありました。
「中国東北地方では、黒竜江、吉林、遼寧の3省に約1億人がひしめく。隣国ロシアでは、その7倍の面積を持つ極東連邦管区の人口がわずか630万人だ。 」
そして、中国からの入植者が「ロシアに来て収入は5~10倍になった」と語っています。
元々上記のような考えを持っていたプーチン氏ですから、このような状況に危機意識をつのらせたとしても不思議ではありません。
つまり、今回の北方領土返還交渉は、ロシアが対中国外交のために切ったカードであり、今までに比べてかなり有望なのではないかと思うのです。
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