2012年7月7日土曜日

ロシアへ飛び火

(AP Photo)

ロシアのメドベージェフ首相が、北方領土に対する姿勢を硬化させています。
大統領時代からもこの傾向はあったのですが、プーチン大統領が歩み寄りを示したにもかかわらず、なぜ今またこのようなことになったのか。

私の考えでは、メドベージェフは日本が「領土的野心」を強めていると受け取っているのだと思います。
尖閣諸島の国有化という問題が、メドベージェフを刺激したのではないでしょうか。

尖閣諸島は日本固有の領土であり、日本が実効支配しています。
だからこそ、中国はそこに「領土問題」があるかのように主張しなければならないのです。
日本が実効支配していなければ、民間の日本の船があの海域に入ったとき、中国当局により拿捕されてしまいます。

北方領土はロシアが実効支配しているので、日本船が拿捕されることがあるのと比較すれば簡単に分かることです。

4月18日にも書きましたが、存在しない領土問題をあたかも存在するかのようなスタンドプレーを行うだけでも国益に反すると思います。
その上そのスタンドプレーに押され、国有化の方針まで打ち出してしまったため、ロシア国内の北方領土返還反対勢力を刺激したのだと考えます。

日本に「領土問題」は2つしかありません。
北方領土と竹島だけです。

固有の領土を実効支配できないことを「領土問題」というのです。

外交はデリケートなものです。
長年の積み重ねを、思いつきのひと言で台無しにしてしまうことがあるのです。

一見正論風の強硬論は、常にその危険をはらんでいます。

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